『八剱伝』の最安価格＆レビューまとめ

血を血で洗い僅かな土地を手に入れるためにただひたすらに戦い続ける時代、戦国。
関東の小さな山の中で、ある時を境に秋を終えても朱い紅葉が終らず、実り散る朱い葉が永遠と続くようになった。
最初、人々は不思議に思ったが次第に誰も疑問に思わなくなった。それからしばらくの後、時の権力者は元号を「紅和」と命名。
朱い紅葉はゆっくりと関東全域に広がり、紅葉を信奉する朱教と呼ばれる小さな信仰が民の中に芽生えた。
時は経ち、紅和十八年。過酷な世を生きる者達の数奇な運命が交じわる時、時代の終焉が動き出す。

■個別ルート
◆志乃・宗介ルート
安房の大名里巳は相模の大名北丞と三浦半島沖の戦いで快勝し、勢いのまま上陸する。
里巳に仕える武士、佐倉志乃は配下で馴染みの我孫子宗介と共に初陣を飾ろうとしていた。
三崎城への行軍中、志乃は山中にて北丞の兵と遭遇し不意の戦となり昏倒してしまう。
目が覚めるとそこは霧深い謎の場所。見慣れぬ犬に連れられた先で、志乃は「村雨丸」という刀を渡される。

村雨丸を巡る運命に翻弄されながらも戦乱の世を生抜く、その先に待ち受けるものとは――

◆古文吾・幻八ルート
北丞領行徳の村でよろず屋営む袖ヶ浦古文吾は、店の前で行き倒れている旭幻八を助けた。
幻八は一宿一飯の恩を返すべく、古文吾に恩返しを願い出るが拒否される。
口論する二人の間に、一つの依頼が舞い込む。不幸の珠で困っている村があるから、解決して欲しいとのことだった。
古文吾と半ば強引に供となった幻八は謎を解明するべく、珠があると言われる朝賀野の村へ向かった。

でこぼこな二人が異変や謎を解き明かす、それがたとえ無情な結末であったとしても――

◆導雪・華野ルート
仇討ち代行を生業とする酒々井導雪は依頼された仇を追い詰めた先で、二刀の女剣士・匝瑳華野に出会う。
華野は一族を殺し家宝の刀を奪った仇を十年以上も探していた。手掛りは一つ、眼帯の剣士というだけだった。
長く根気のいる依頼だ。そう簡単に仇が見つかるとも思えなかった導雪の元に見聞屋からの報せが入る。
それは、眼帯の剣士が目撃されたという情報だった。

積年の怨みを果たすために酷薄な道を歩き続ける、仇討ちの復讐は殺し合いの螺旋へと続くしかないのか――

◆大鶴・真兵衛ルート
朱教の楓寺で御先様として教徒達から慕われている八千代大鶴。彼女は予知の力を持っていた。
予知は自らが意図しない瞬間に、突然頭に沸いてくるのだ。そんな大鶴は楓寺で幼い頃から大切に匿われて生きてきた。
外の世界を知らない彼女は、日々救いを求めて訪れる教徒達の声を聞き、次第に外への興味を募らせる。
そしてある夜、親友である蛍と共に楓寺を抜け出す。広がる世界の先で、大鶴は流山真兵衛という男に出会う。

実の営みを知るためにまだ見ぬ世界を経験する、朱教の教えと予知の力は運命を切り拓くためにあるのかそれとも――